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The AAA Japan Study:高齢者高血圧症例のAAA有病率~ポケットエコーを用いた多施設調査

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背景

腹部大動脈瘤(AAA)の多くは無症状で、早期発見・診断するためのスクリーニングが必要であるが、十分に認知されていない。この20年間で、心血管疾患の診断における画像診断技術は著しく向上したが、一方で、身体所見の重要性が問われている。The AAA Japan Studyは、①高血圧を有する日本人高齢症例におけるAAA有病率を調査すること、および②身体所見によるAAA診断精度を評価することを目的とした大規模多施設コホート研究である。

対象・方法

対象
60歳以上の高血圧患者1,731例(国内20施設)
男性942例、女性789例、平均年齢75±8歳(範囲60~99歳)

除外基準
① AAA、大動脈解離、大動脈炎の既往歴を有する例
② その他の重篤な全身性疾患を有する例

AAAの診断
使用機器:ポケットエコー
評価方法:身体所見(腹部触診)・ポケットエコー(Vscan)
AAA定義:30mm超または、近位大動脈径の1.5倍超
高血圧定義:血圧140/90mmHg以上または降圧薬服用例

結果

ポケットエコーのfeasibility
1,731例中、ポケットエコーにて腹部大動脈が良好に描出できた1,692例(98%)を解析対象とした。

AAA頻度
解析対象となった1,692例の内747例は病院、945例は診療所からの登録であった。AAAは69例(4.1%)に認められ、病院および診療所における有病率はそれぞれ4.6%、3.7%だった(P=0.38)。

AAA決定因子
AAA症例群はより高齢であり(P<0.001)、男性(P=0.013)、喫煙例(P=0.027)が多く、冠動脈疾患(P=0.024)、末梢血管疾患(P=0.043)を合併する割合が高かった。多変量解析ではAAAの独立した決定因子は、より高齢であること、および男性であることが示されたが、現在または過去の喫煙は予測因子とならなかった。
AAAの有病率は80歳以上の男性で最も高く(9.2%)、60~69歳の女性で最も低かった(0.6%)。

身体所見の精度
診断されたAAA血管径の分布を図2に示す。平均径は34±7mm(範囲25~62mm)で、40mm以上のAAAが12例に認められた(AAA例の17%、全対象の0.7%)。AAAの69例中、身体所見では、33例が診断に至らなかった(感度52%)。しかし、40mm以上のAAAでは、12例中9例が診断に至っており、診断感度は75%に上昇した。

図1 各年齢群、性別群におけるAAA有病率
AAA有病率(%)
図2 身体所見とAAA血管径の分布
AAA症例数

結論

本調査の結果から、60歳以上の日本人高血圧症例のAAA有病率は4.1%であることが示された。血管径が大きいAAAは、その大部分が身体所見(腹部触診)により検出できた。
血管径の小さいAAA診断において、ポケットエコーは身体所見を補完できる。

引用出典:Fukuda S, Watanabe H, Iwakura K, Daimon M, Ito H, Yoshikawa J, for the AAA Japan Study Investigators. Multicenter Investigations of the Prevalence of Abdominal Aortic Aneurysm in Elderly Japanese Patients With Hypertension - The AAA Japan Study -. Circ J 2015; 79: 524-529
研究会:「The AAA Japan Study Investigators」


[Study参加施設]福田 祥大(大阪掖済会病院)、渡辺 弘之(東京ベイ・浦安市川医療センター)、岩倉 克臣(桜橋渡辺病院)、大門 雅夫(東京大学医学部附属病院)、阿部 幸雄(大阪市立総合医療センター)、麻植 浩樹(岡山大学)、大塚 憲一郎(大阪市立大学大学院医学研究科)、大塚 亮(大塚医院)、北田 諒子(浅香山病院)、木原 一(木原循環器科内科医院)、坂田 好美(杏林大学医学部)、鈴木 健吾(聖マリアンナ医科大学)、瀬尾 由広(筑波大学)、高木 力(高木循環器科診療所)、玉城 正弘(豊見城中央病院)、中西 弘毅(馬場記念病院)、兵頭永一(西宮渡辺心臓血管センター)、泰川 恵吾(ドクターゴン診療所)、山田 聡(北海道大学大学院医学研究科) 吉田 健(吉田クリニック)、伊藤 浩(岡山大学)、吉川純一(西宮渡辺心臓血管センター)

The AAA Japan Studyから推定される日本全国のAAA症例数と早期発見のススメ

高血圧治療ガイドライン2014による60歳以上高血圧症有病者の指針数は、2,690万人であり、The AAA Japan Studyから得られた4.1%の有病率を用いると、日本国内の潜在AAA症例数が約110万人、19.7万人が外科的治療対象症例数と予測される。

治療浸透率
腹部大動脈瘤の診断
腹部大動脈瘤の診断
AAAのリスクファクター
AAAのリスクファクター
AAAの早期発見のポイント
AAAの早期発見のポイント
AAAの多くは未発見・未治療であり、
より積極的な早期発見・早期治療が重要であると考えられる。
AAAの多くは未発見・未治療であり、より積極的な早期発見・早期治療が重要であると考えられる。

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